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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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六分儀の回禄

アーティスト:Shinnosuke Sugata  アルバム:幽霊たちのふたつの目 その他の短篇  作詞:Shinnosuke Sugata  作曲:Shinnosuke Sugata  発売年:2022-07-04 

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その船は火のつかないアルコールを積んでいた 不気味なほど波の立たない凪の海の夜だった 静けさに覆われた薄暗い船長室 掛け時計の文字盤は午前二時を指していた 不意に足音が聞こえた 急いでいるようだった 重いドアが開くと 三歳になる娘が 機関室から来たようで 声にならず泣いている 「光るふたつの目を見たの」と 衣服はひどく濡れて いた 泣きつかれている娘を抱きかかえて 寝室で眠る妻の元へ 毛布をかけるとすぐに その足で機関室へ向かう 警報が鳴っている 誰も目を覚ますことは無いが ランプが点滅している 不思議と焦ることも無く 警報が鳴っている 誰も目を覚ますことは無いが ランプが点滅している 僕は機関室へ向かう 小さな窓を覗き込んだ バルブを握るその人の ふたつの目は閉じられたまま表情ははがれ落ちていた 私は唖然としたのだ あれは僕だ 部屋の暗闇の中に自分の顔があったのだ ないはずなのにある物が あるはずなのにない物が


投稿者: BIG UP!Official
プチリリ再生回数:0





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